最終更新日 2022/06/05

※Social Postage Stamps

    ライトノベル へようこそ Welcome to novel


105話 新武器試作品

12月13日(金曜日)

今日は、日中に王宮で稲刈りを実施された。

土地の見定めも兼ねていたので、肥沃、乾燥、赤茶けた、水分の多い、
石が多いの5種を再現した土地を各2反用意し、10月13日に植えた。

2か月後の今日に稲刈りしたわけだが、収穫量は、
肥沃な土700キロ、乾燥した土500キロ、赤茶けた土550キロ、水分の多い土200キロ、
石が多い土570キロと言う結果になり、このゲームでは栄養分に依存しているようだ。

今後は、これが基本データとなり、来年行われる、米配布事業で情報が加わって行く。

また、今回の結果により、国王様が全国へ通知し、可能な限り人減らしをしない様に伝えたが、
この判断が実を結ぶとしても、まだ、少しの時間が必要だろうと思う。

ちなみに、色々な土を使って稲を栽培し、稲刈りした後に鑑定で確認すると、
5つの品種に変異して分かれていた。

今後、稲の品種改良がされるのかも知れない。

午後9時

「ふう。なんとか、形になったかな。」

僕は、持ち物整理した時に見つけた、銃作製レシピを使って、
最近思い浮かんだアイディアを形とするべく、午後8時から鍛冶室に籠もっていた。

「あ。コーヤ君、やっと、出て来たわね。」

「アカネさん?何かあった?」

「相談したい事があったの。このゲームも20日弱で来年でしょ?

でも、まだ、第四エリアボスを倒していないのが悔しいから、
何か良いアイディア無いかなって。」

「なるほど。アカネさん達は、何回戦った?」

「う〜ん。魔族襲撃以降でも4回は行ったかな。

どうしても、後一歩足りないのよ。」

「と言うと?」

「うん。序盤中盤は、普通に攻撃躱して、攻撃して、大体6割削れるの。

問題は終盤で、徐々に大技を出していって、9割削れて、
もう少しで勝てる!って思う頃に、敵の溜め込み技が出て来て、
躱した後には体力・魔力も限界で、有効打を出せずに終わるのが流れよ。」

「う〜ん。なるほど。じゃぁ。ちょっと、試作品のテストして貰おうかな。」

僕は、先程作った魔力銃を机に出す。

「これって、ゲームとかアニメとかに出て来そうな形だよね?」

「うん。基本は魔王襲撃時に、
ソアリスさんに使って貰った高出力砲を銃に置き換えた武器だ。

ただ、今回は魔法陣と今まで入手した本類で、
使えそうな機能を入れたから、魔王襲撃よりは威力も上がっているよ。」

「(銃を持ちながら)どんな風に?」

「〈魔力吸収〉、〈自動修復〉、〈攻撃力上昇(5000)〉、〈耐久力上昇(7000)〉の
4つのパーツを付与したよ。

使い方は簡単で、自分達が使った魔力を吸収し充填すると魔石が光るから、
引き金を引くだけ。

あと、本体にあるメモリを回す事で、最大5回撃つ事が出来るから、状況を見ながらだね。

今後は、属性攻撃も出来たり、変形出来たりする様に出来ないか、研究中。」

「なるほどね。これって、借りても良い?データも取って来るし。」

「良いけど、今から?」

「ううん。明日かな。休みだし。他に作ったのは無いの?」

「構想はあるんだけど、今日はこれだけ。近日中には、数点作りたいなとは思っているけど。」

「その時も、わたし達でテストするよ!」

12月14日(土曜日)

午前11時

アカネSIDE:

「みんな!良い?今日こそ、第四エリアボスを倒して、第五エリアに行くよ!」

「(メンバー)おー!」

終盤まで、いつも通りに進み、ダメージを与えて行く。

「ミリス!溜め込み技来るわ!」

「了解!風の壁!発動!」

ミリスは、今まで練習して来た魔法”風の壁”を発動させる。

第四エリアのボスは、そんな事はお構いなしに、
最大威力の攻撃を繰り出す。

ぎし・・・・、ぎし・・・・、ぱりーん。

「くっ!これでも、受け止めきれないなんて!」

「でも、ミリス。これで、相手の攻撃をダメージ無しで防げたわ。
後は、コーヤ君から借りた銃で、決着を付ける!」

そう言うと、アカネは敵へと肉薄し、高出力砲の準備が整った銃を、
敵の顔面へと向けて、引き金を引く。

「行っけぇぇぇぇ〜〜〜〜〜!!!」

自分達が使った魔力が貯まり、多く貯まる事により凝縮し、
威力が上昇した高出力な魔力が敵に放たれ、
第四エリアのボスは、耐えきれずに、顔全体が吹き飛んでしまう。

「すごい威力ね。逆に言うと、私達はこれ程の魔力を使っていたのね。」

「本当よね。ミリスも私達もみんな、あの修行を頑張ったから、
こんなにすごい魔力を生み出す事が出来たんだろうね。」

「確かにね(苦笑)」

ミリス達が話をしていると、アカネが戻って来た。

「勝ったよ!」

みんなでハイタッチして、勝利を祝う。

「それにしても、すごい威力だよね。今まで、苦労していたのがおかしいくらい。
でも、流石に最高出力はやりすぎたみたいね。壊れちゃったし。」

「アカネ。どういう事?」

シェーラが分からないと言った顔をする。

「言っていなかった?借りた時に、言われたんだけど、充填終了すると、
5回分攻撃できるんだって。一気に使うか、それとも、こまめに使うか。」

「それで、アカネは一気に使うを選択したのね?」

「うん。もし、中途半端な事して、倒せなかったから嫌だったし。」

「まぁ。そこは仕方ないわ。さて、帰りましょ。」

こうして、アカネパーティーによって、第四エリアボスは倒され、
アカネ達は一番最初の討伐者となった。

午後12時

コーヤSIDE:

「ただいまぁ!」

「おかえり。その感じだと、勝てたみたいだね。」

「コーヤさんの銃のおかげで勝てたわ。ありがとう。でも、すごい威力だったわ。」

「ミリスさん、どんな感じに?」

「敵の頭を吹き飛ばしたの。」

「それは、すごい。隠れステータスが高いんだろうね。」

「なに?隠れステータスって。」

ハヅキさんが聞いて来た。

「あれ?知りません?色々と行動していれば、気がつくはずなんだけど。
ステータスが無ければ、瞬動や生産時の成功判定が出来ないと思いません?」

「あ〜。言われてみれば、確かに。魔法の威力もステータスが無ければ、
判断基準が無いから、成立しないわね。」

「うん。クラン対抗戦で瞬動講習したけど、素早さの数値が高い人は成功しやすい。
対して低い人は失敗しやすい。だから、イメージしていても失敗する。」

「なるほどねぇ。そして、ごめん、壊れちゃった。(壊れた銃を渡す)」

アカネさんが申し訳ない顔で、壊れた銃を渡して来た。

「お〜。これは、銃身が吹き飛んでいるね。耐久度を上げないと、使え無さそうだ。」

「ごめんね!」

「大丈夫、大丈夫。その為のテストなんだし。
う〜んと、龍の鱗使えば、耐久力上がるかなぁ。」

この後、銃の強化と他の試作品作りに、時間を費やした。

Copyright © 水晶光矢 All Rights Reserved.